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【動画】甲子園球場の試合開始を告げるサイレン。製造している地元の企業=上田潤撮影

阪国電機の柿木浩社長=2024年2月22日午後3時31分、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場、金居達朗撮影
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 阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)は8月1日で開場100周年を迎える。春の選抜高校野球大会、夏の全国選手権の舞台となる甲子園では、耳なじみのある、あのサイレン音が試合開始を告げる。製造する「阪国(はんこく)電機」(同市)の柿木浩社長(61)は、鳴るのは平和だからこそという。その歴史や思いを聞いた。

 春と夏の甲子園で鳴り響くサイレンは、わが社の製品です。1936(昭和11)年にモーターサイレンの製造を始め、その頃に甲子園球場に納入したようです。詳しい資料は残っていませんが、現在取り付けられているサイレンは3代目か4代目と思われます。

 現在のサイレンは、両側に6枚の羽根が付き、双方から音が出る型です。その前の機種は片側に12枚の羽根。羽根の枚数で周波数が決まり、少ないほど低音になります。銀傘(内野席を覆う屋根)が2009年に架け替わった際に、「キーン」という音を抑え、甲子園名物の浜風に負けないようサイレンの機種を変えたようです。

 私の自宅はかつて西宮市にありました。亡くなった父が阪神タイガースのファンだったので、自転車で30分ほどかけて球場に通いました。高校野球も観戦していましたが、サイレンが自社製品だと知ったのは09年に入社してからです。「そうだったんだ」と、うれしくなりました。

 高校野球の期間中はサイレンに異常がないか、音を聞きに球場の近くまで何度も足を運びます。サイレンが問題なく響き渡ると、また高校野球の季節が来たなと思いますし、今年も平穏でよかったとほっとします。

 高校野球のサイレンは戦時中…

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